米ドルにペッグされ価格の安定しているテザー(USDT)に代表されるステーブルコインだが、昨今テザー以外でもステーブルコインが盛り上がりを見せている。

ステーブルコインは法定通貨と同じような価格変動がされるよう設計されているため、ステーブルコインそのものに収益を求めるというものではなく、仮想通貨を購入するときや、市場が落ち込んでいるときに損失を抑えるためのリスク分散として購入されることがしばしばある。

Blockchain社が57種類のステーブルコインを対象とし調査を行った結果、23種類のステーブルコインが現在流通しており、残り34種類はプレローンチの段階と報告されている。

ステーブルコインがこれほどまでに急増しているのになぜ外貨を購入していかないのか、人によってはその違いに疑問を持つかもしれない。

その理由として仮想通貨の将来性や、中央集権が介入しづらい点、そして配当システム(トークンによる)が採用されているなど、外貨とは違う特徴があると言える。

Blockchain社によれば、ステーブルコインは、“現物資産に裏付けられたもの”と価格を一定に保つために“中央銀行のように独自のアルゴリズムが組み込まれているもの”の2つのカテゴリに分けられるという。

現物資産に裏付けられたコインに対しては、市場が安定すれば、レートの安定性も確保されるが、裏付けとされている現物資産が安定性を無くすとそれに伴い、レートが下落する可能性もある。

今は外貨(主に米ドルなど)や金を裏付けしているステーブルコインがほとんどだが、今後、穀物などの先物や現物商品に連動するステーブルコインが出てくる可能性もある。

もう1つの独自のアルゴリズムが組み込まれているタイプのコインは、主にAI(人工知能)による資産管理がされている。これが外貨以上に安定した通貨として優れていることが認められれば今後主流となっていく事も考えられる。

現在、ステーブルコインで普及しているテザー(USDT)がビットコイン(BTC)に継ぐ2番目の取引量を確保していることは事実だ。これは仮想通貨取引所での基軸通貨としての採用が多いためである。これも一つの実需の形ではないだろうか。

参考:Blockchain