仮想通貨取引を手数料ゼロで提供し話題となった米ロビンフッドの裏側で行われている取引が明らかとなり、懸念材料として注目されている。
その懸念材料は顧客の注文データを他のHFT(高頻度取引)企業に売却し、大きな利益を得ている点だ。取引手数料が無料になるという革新的なアイデアに対して業界としては注目度が高まったが、その一方でどのように利益を得ているのか不明な点も存在していた。
ロビンフッドは2013年に創業された後、2017年には13億ドル、日本円にして約1,450億円の評価を得た。その後1.1億ドルの資金調達を行い、現在は56億ドル(約6,200億円)の評価にまで成長した。
しかし、先日2018年第2四半期の報告書がSEC(アメリカ証券取引委員会)に提出されたことで、同社が顧客の注文データを5つのHFT企業に販売し、利益を得ている事が明らかとなった。
ロビンフッドが販売しているとされる顧客データの価格はTD AmeritradeやE*TRADEのような企業が同様にHFT企業に販売する額の10倍以上の値段であると考えられている。
ロビンフッド側は公式ウェブサイトにて、金融システムは全ての人々のためにあるのであって、富だけのために存在しているのではないと記述している事や、私たちは手動での口座運営や数百もの店頭のような他社の取引仲介業でコストがかさんでいるものを排除した結果、手数料ゼロを実現させていると言及している事で、データ販売に対して疑問の声が挙がってきている。
さらにロビンフッド関連の企業や顧客が過去にSECによる捜査または、罰金を科せられていたことから懸念が高まっているとして、投資家からはどのような情報が流れ出し、使われていくのか不安・不信感を与える事にもなるだろう。