ロシアでは違法とみられる仮想通貨利用に対し法的に罰則を設けることを検討している。

ロシア内務省は、未登録の仮想通貨利用に対し刑事責任を適用することを検討しているとロシアのメディアであるイズベスチヤが23日に伝えた。

イズベスチヤが入手した文書によればロシア内務省は、ビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨に対し、登録した通貨のみを合法化するという法律の修正に着手しているという。

内務省は仮想通貨で合法的な取引を行うため、個人や団体は金融、税を管轄する州政府で登録の必須化を行うようにすることを提案するとしている。

この構想はロシア内務省の麻薬統制総局、GUKONが提案しているものと報じられており、イズベスチヤの報道によればGUKONのトップであるアンドレイ・クライポフ氏は7月13日に、ロシア財務省に対し提案した法的措置の実現とその可能性について立場を明らかにするように求めた。

GUKONとしては麻薬などの不正使用で仮想通貨が使われ、行方を追いづらい状況から早い段階で法的整備を望みたいという姿勢を見ることができる。

それに対しロシア経済発展省は内務省の構想に対し、仮想通貨の利用の違法化を検討するには時期尚早と述べており、懐疑的な態度を表明したという。

仮想通貨やブロックチェーンに前向きに取り組み、経済を発展させようとする経済発展省とマネーロンダリングや違法使用を強化したい内務省との意見の相違が浮き彫りになった形と言える。

ロシア経済発展省のサヴァ・シボフ副大臣は、現状では仮想通貨取引の規制に特に関連する法律はないことも指摘した。しかし、シボフ副大臣は、武器や薬物の密売といったすでに違法とされている活動の支払い手段として仮想通貨が利用された場合には、個人や団体は訴追されると内務省の考えを擁護する発言もしている。

ロシア経済は今、低迷へ進んでいる事から経済発展と不正取り締まりのバランスを取るために、様々な意見を取り入れ仮想通貨市場を健全化していこうと前向きな姿勢が伺える。

参考:イズベスチヤ