米ドルにペッグされたステーブルコインのテザー(USDT)が新たに追加発行されたことが分かった。24日、Bloombergによって伝えられている。

以前、テザーの追加発行時には仮想通貨の価格に影響を与えていたが、今回はあまり影響を与えていないと見られている。

Bloombergでは、テザー以外にもビットコインやアルトコインについても報告しており、テザーは以前ビットコインやイーサリアムといった主要な仮想通貨に影響を及ぼしていたが、最近はEOSやNEOなどに対しても価格の影響を増していると報告している。

Bloombergは今回のテザー追加発行についてOmiexplorerデータをもとに8月、約5億ドル(約556億円)分のトークンを発行したとしている。

仮想通貨全体的に市場が低迷している事から、一時期テザーによる影響力は大きいものであったが、今ではさほど影響を与えていないと見られている。

テザーについては最近テキサス大学の研究者が、ビットコインの価格操作にテザーが使われているとリサーチペーパーを出しており、以前にもテザー疑惑が囁かれた事から、信頼回復にはまだ時間が掛かりそうだ。

さらにBloombergは今年7月に仮想通貨取引所であるクラーケンにおいてテザーの価格が操作されているかもしれないとも伝えている。その理由として大規模トレードの小規模トレードの値動きが一緒であること、決まったサイズでトレードされていることが不自然に多いことなどを理由に挙げている。

それに対しクラーケン側としてはマーケットの基本的な原理を理解していないと激しく反論している。一度でなく、テザーに関しては過去何度も疑惑を持たれた事によって、このような指摘は今後も出て来ることだろう。

参考:Bloomberg