仮想通貨のデータサイトであるコインマーケットキャップ(CMC)は7月19日、取引高データが不正確ではないかとする懸念が最近寄せられていることに対し、リスト作成の方式について大規模な変更を行っている事を公式サイトにて発表した。
CMCは取引所のAPIのアクセスに基づき、透明性のある取引高集計を発表しているが、その正確性を損ねてしまう幾つかの要因が出現しつつあることを認めている。
仮想通貨の取引高がどれくらいあるのかチェックするのにCMCを利用している人は多く、今回の変更によって順位が変われば、投資家にとっては判断も大きく変わって来ることだろう。
このような事態になる要因として、取引手数料マイニングモデルがあり、これは最近幾つかの取引所で採用されているモデルであり、取引手数料の清算をネイティブな取引所トークンで行うものである。
CMCによれば、このモデルではユーザーは単に売買を繰り返して多くのトークンを集めることで利益が得られるため、それによって取引高を上昇させることが可能となっており、自動売買、つまりボットによって取引が自動化されることで事態が悪化する事も懸念している。
さらにCMCは、取引を活発化させるために使用される、手数料が極端に低いモデルについても言及しており、そうしたモデルは不安定になりがちであることから、アカウントの種類、CMCとデータを参照するユーザーの双方にとって不明確な変数である取引高によってクラス分けする事が可能であるとしている。
また、架空の取引高や偽造売買と通称されるものは未だに幾つかの取引所で広まっており、そうした取引所は往々にして、単に取引高の最低水準を維持することを目的にネイティブな取引所トークンを取引するため、マーケットメイキングサービスやボットに頼っていると指摘している。
CMCは仮想通貨取引所の取引高の判断に迫られているため、参考する場合はより多くのデータサイトを閲覧し、情報収集する必要があるだろう。