カナダ投資業規制機構(IIROC)が、資本市場のエコシステムにおけるブロックチェーン活用に対する規制について提言を行う作業部会を設置した事が分かった。IIROCが25日に公表した2019年度目標で明らかにした。
IIROCは、投資家の保護および健全な国内資本市場の支援のための対策を提案する事によって、公益の追求を図る非営利自主規制団体で、IIROCは、来年度におけるビジョンと優先課題の一環として、ブロックチェーン技術やブロックチェーンや仮想通貨などの分野に伴う問題について概説した。
その内容は、ブロックチェーン技術の潜在用途は、資本市場を支えるエコシステムそのものを劇的に変えうる段階にあり、仮想通貨などのデジタル資産は潜在的な直接・間接投資、あるいはイニシャル・コイン・オファリング(ICO)や仮想通貨取引所などの形で、資本市場に多大な影響をすでに与え始めていると言う。
IIROCが新たに設立したワーキンググループは、急激に進歩している仮想通貨分野や、既存の金融秩序における変革の影響に迅速に対応するため、新たなイノベーションに関する知識に構築に焦点を当てると言う。
また、カナダの他の規制機関やステークホルダーとも連携しながら一環した規制戦略の策定を目指すとしている。
カナダ政府は今月初めに、仮想通貨取引所および決済処理機関に対する新たな規制の草案を正式に発表しており、AML(マネーロンダリング対策)とテロ資金供与対策(CFT)の体制を強化する方針を明らかにしている。
そんな中、カナダ中央銀行は、証券決済のために大規模なブロックチェーン実証試験であるジャスパー計画に2016年から取り組んでおり、現金と資産をトークン化し、即時の交換を可能にするシステム開発を目指している。
カナダも規制はしつつも日本と同様、仮想通貨に対しては前向きに検討しており、最初は厳しくするとしても方向性を見い出せれば徐々に規制緩和もしてくる流れになると考えられる。
作業部会の設置は仮想通貨規制に対し、前向きに捉えている姿勢であり、市場の健全化・技術発展にとってもプラスであることは間違いないだろう。
参考:IIROC(PDF)