韓国の首都であるソウル市が独自の仮想通貨として「S-Coin(エスコイン)」の発行を検討していることが分かりました。CoinDesk Koreaにより伝えられています。
ソウル市長である朴 元淳氏(パク・ウォンスン)氏は、CoinDesk Koreaのインタビューにおいて、ソウル市の仮想通貨発行計画に向けた意志を強調し、以下のように述べています。
「エスコインを作るためには、条例等の制度的、法的裏付けの準備をする必要があります。」
「中央政府のいくつかの(仮想通貨に関わる)規制法令を変えることができるようにしてみたい。」
また、パク氏は電気、水道、ガスなどを節約する市民に経済的なメリットを提供するエコマイレージや、求職活動をする青年たちをサポートしている青年手当、職員の福祉のポイント、ソウル市が発注する工事に関連する代金を支払うシステムなどにブロックチェーンを適用する案も検討中だとしています。
韓国においては一時期、仮想通貨の規制強化が懸念されたことがあり、国内の仮想通貨ユーザーからは反発や不満の声もありましたが、その後、政府の高官から公に発言があり、今日では適切な規制がされつつ、安心して仮想通貨取引ができる安堵感が出てきています。今回のエスコイン発行を検討するためには法律を変更しなければならないとしながらも、国全体として前向きに捉えていることが分かります。
また、市が独自で仮想通貨を作ることは、一部のサービスにしっかり適用できると言う大きなメリットがあります。ソウル市でエスコインが発行されれば、人をマイナンバーと関係づけで保有させる事ができ、ブロックチェーンの特徴である改ざんがなく暗号によるセキュリティの高さ、さらにシステムを作り上げるコスト削減も期待できます。
また、公共機関だけの使用に制限すれば、公共性が高く保たれるためにしっかりと目的に沿って管理をすることができます。ソウル市の試みは日本も習うところがあり、今後日本の市町村など地域通貨の発行においても良い影響を与えるきっかけにもなることでしょう。