最近チャットアプリ業界で独自にブロックチェーン企業を立ち上げたり、仮想通貨発行が検討されている中、イランがテレグラムに対して禁止する方針を示しています。
イランのインターネット規制当局である、サイバースペース最高評議会(HCC)の事務局長がチャットアプリ大手であるテレグラムに対してイラン国内における利用を禁止する可能性があると、3日、AL-MONITORによって伝えられています。
テレグラムを禁止する理由としてテレグラムが最近実施したICO(イニシャル・コイン・オファリング)は、イランの法定通貨を弱体化させる恐れがあるとしており、さらに昨年12月、イランにおけるデモでテレグラムが使用された可能性が高く、今後もテレグラムがデモなど抗議行動で使用される恐れがあるとして、国家安全保障上の懸念としています。
イランにとってテレグラムは脅威であり、テレグラムによる仮想通貨の発行や、気軽に利用出来るテレグラムのチャットアプリが大きく影響与えると見ています。さらにイラン・イスラム共和国中央銀行は今年2月、仮想通貨自体妨げる方針を示しており、昨年に表明していた仮想通貨歓迎ムードから180度転換をしています。実際にSNSやチャットアプリによる情報の影響力はとても大きく、米国の大統領選挙においても積極的に使われていると言われるほどです。
HCCの事務局長であるハッサン・フィロウザバディ氏はテレグラムに対し、メッセンジャーアプリ市場を独占しているのはイランだけとし、テレグラムは経済的プラットフォームとして使用できるようになると公式発表しており、イラン法定通貨を弱体化させるともコメントしています。さらに同氏はテレグラムがイランで継続的に機能している要因の一つとして、仮想通貨の規制法が存在しないことがあると認識を持っています。
テレグラムの独自ブロックチェーンであるテレグラム・オープンネットワーク(TON)はプルーフオブステーク(PoS)を採用しており、現在イーサリアムが採用を進めているシャーディング機能も搭載していることで、1秒間に100万トランザクションを処理できることから、ストレスレスない環境を作り上げることが可能です。
技術の発展とともに便利な生活が得られる一方、身近に使えるチャットアプリや、経済的にインパクトを与える仮想通貨は国家にとって脅威としてなり得るのでしょうか。いちユーザーとしては、厳格な禁止ではなく適切な規制の下で健全に市場が育つことが望まれます。
参考:AL-MONITOR