トランプ米大統領によって貿易摩擦が市場の興味を引きつけている中、それ以外に私たちの生活にも影響しようとしている署名が米国で行なわれました。それがCLOUD(Clarifying Lawful Overseas Use of Data) Actです。
この法案の成立により、まず米政府はオンライン上にて保存されている個人情報を含むデータへのアクセス権限が強化され、アクセスに必要な手続きも簡素化されます。さらに海外のサーバーデータも収集する事ができるようになり、海外のデータにアクセスできるようになる一方、海外政府からも米国の企業に対し、データの提供を求めることができます。
今回のCLOUD ACTによる個人情報が政府の監視下に置かれやすくなるために、米国内部では個人だけに限らず家族、仕事、社会保障など、ありとあらゆる情報のプライベート性が薄れることもあるために強く懸念されています。
また、日本の立場として米国から情報提供と言う形で求められた場合には、日本政府はどのように対応するのか、個人情報保護法案との関連で政府としても十分な話し合いが必要になるでしょう。日本だけに限らず今回の法案成立により海外の個人情報の取り扱いに対し各国が対応を迫られる事になり、海外の諸外国で米国を頼りにしている国であれば、受け入れざるを得ない状況に立たせられることも考えられます。
世界的に今回の法案を通して、さらなる懸念材料として気になる国が中国が挙げられます。今、中国は米国から大幅な関税をかける形として中国企業に対し、貿易による圧をかけられるために、今後中国も同様「中国版CLOUD ACT」が発動されれば、貿易だけに限らず、外交にも影響を与えることにもなるため、大きな溝を作ってしまう事にもなりかねません。
個人情報がしっかりと守られる保証がない今、開示されるのが嫌な人々はますます情報が漏えいしないよう自主的に保護をしなければならなくなっていくでしょう。例えば暗号資産(仮想通貨)を使えば、企業が管理するサーバーを介さずにP2Pで取引ができるので、利用者のプライバシーは保たれます。
参考:Geek Wire