南米ベネズエラで政府公認の原油に裏付けされた仮想通貨ペトロのプレセールが開始されました。以前からお伝えしてきましたが、1ペトロ=1バレット相当の原油に価値を裏付けられています。
発行上限は約1億ペトロ。約60億ドルの調達を目標としています。主要の仮想通貨との交換は可能ですが、ベネズエラの法定通貨であるボリバルでは購入ができない形となっております。
なぜボリバルで購入できないのかというとベネズエラのインフレ率が関わっているためとしています。しかし、ペトロを売却する際はボリバルに交換することも可能だといいます。
ベネズエラは通貨ボリバル暴落によって、同国の経済破綻から救う策を模索しており、今回のペトロは金融政策として、大きな役割を担うと目されています。
インフレ率が過去12ヶ月4,115パーセントに達し、ボリバルが96パーセントの価値を失ったことから、ベネズエラにとっても新たな策を練らざるを得ない状況でした。
さらにベネズエラはアメリカ、トランプ政権による経済制裁を掛けられたことで、自国の国民が食品や医療品の不足に苦しんでいました。
経済制裁の内容は米国金融機関に対して、ベネズエラ国債とベネズエラ国営石油会社の社債の新規取引を禁じる内容であり、それは独裁体制を固めているマドゥロ政権の資金源を断つのが狙いです。
最近ビットコインなどの主要通貨のレートが乱高下することで投資家が不安を抱いている中、ペトロのような資源や法定通貨と連動している通貨は比較的安心でしょうか。
有名なテザー社が発行しているUSDT以外にも米ドルやユーロとのレートと連動しているbitUSD、bitEUR、金相場に連動しているAurumCoin(AU)も注目されています。
仮想通貨であれば、国の規制を避けて取引できることから今回のベネズエラのケースにみならい、第2の国の発行による仮想通貨が生まれてくるのも考えられています。すでにロシアでは「クリプトルーブル」の発行に向けて開発を進めています。
ペトロを購入する場合には、ベネズエラ政府が開発したペトロのデジタルウォレットをダウンロードする必要があり、ウォレットが手に入れば、もちろん日本から購入することも可能です。これはおススメするものではありませんが、ベネズエラに寄付をする感覚ならアリでしょうか。いずれにしても賛否両論飛び交っています。