28日、米ITニュースメディアのTechCrunch(テッククランチ)の開設者である、Michael Arrington(マイケル・アーリントン)氏が仮想通貨、XRPを対象としたヘッジファンドを発表しました。

米ニューヨークで開催された投資家向けのイベント「Consensus Invest2017」の中で発表されたこのファンドは、「Arrington XRP Capital」という名称で、1億ドル(約111億円)規模になり、ドルやユーロではなく、Ripple(リップル)のデジタルアセット(仮想通貨)であるXRPで配当を受け取ることができます。

FORTUNEによると、Arrington XRP Capitalでは、主に既存の仮想通貨やICO(イニシャル・コイン・オファリング:仮想通貨の新規発行による資金調達)に投資するとしており、仮想通貨関連のスタートアップの株式への資金投資は比較的少ないとしています。

アーリントン氏は、今回のヘッジファンドの発表に対し、ブログの中で以下のように述べました。

「これは狂っていると思う人もいれば、仮想通貨の価値がバブル崩壊寸前だという人もいます。しかし、1年前には仮想通貨全体の時価総額が140億ドルでしたが、今では3,000億ドルを超えるまでになりました。XRPだけでは昨年、0.007ドルから0,271ドル(38倍の上昇)となっています。多くの人は『今こそ仮想通貨から手を引く時である!』『両足で飛び込むな(じっくり考えて行動しろ)』と主張しています。」

今年大きく市場が拡大したことで、仮想通貨バブルを懸念する声も日々強まっています。しかし、アーリントン氏は今回のファンドは目先での計画ではなく、自身のキャリアをかけているとしています。

「これは単なる短期的な目線ではなく、この新しいファンドを使って、私の残りのキャリアを仮想通貨に費やすという私の意思を伝えています。」

アーリントン氏はリップルが構築する金融インフラを好んでおり、仮想通貨全体で3、4番目に価値のあるXRPでファンドを組成することに決めたとしています。また、仮想通貨に特化したファンドは従来よりも早く取引をすることができ、コストや時間の節約など仮想通貨建てのファンドは大きな意味があると付け加えました。

仮想通貨のファンドはこれまでにもいくつか組成されていますが、今回のファンドの規模や、XRPに特化しているという点が特に印象的に思われます。

この発表後にXRPの価格も反応、一時0.3ドル(約33円)まで高騰しました。29日14時現在では、0.29ドル(約32円)と直近24時間での価格変動は約7%のプラスとなっています。今後、仮想通貨から派生する金融商品も増えてくると考えられ、来年にかけてより、市場が拡大すると予測されます。市場参加者からは今後の展開に多くの期待が寄せられています。

参考:Arrington XRP Capital , FORTUNE