米ロサンゼルスを拠点に置く、仮想通貨の退職金ファンド(IRAや401Kなどを含む)「Bitcoin IRA」に新しくリップル(XRP)が商品として加わった。Bitcoin IRAでは今まで、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)を扱っていたが、ここにリップルが並ぶ形となる。
「仮想通貨」というカテゴリの中でも、リップルは特殊なもので、ビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨とは大きく異なる。ビットコインを金と例えることが多いが、これに対しリップルは送金ネットワークと説明すると分かりやすいだろうか。おそらく、リップルや仮想通貨に明るい方以外は、ピンと来ないかと思われる。
ビットコインはマイニングによって生み出されるが、リップルにはそのようなものはない。正確に言うと、Ripple社によって全ての通貨が発行済みとなっており、マイニングをする必要がない。第三者監視の上でRipple社が管理している状態である。つまり仮想通貨に多い非中央集権型ではなく、Ripple社による中央集権寄りの通貨という扱いになるだろう。
上述した送金ネットワークという点はRipple社のシステム上でXRPを使うことにより、国際間の送金を早く安く正確に実行できるため、国際送金の在り方を変えるとも言われている。これは他の通貨では現状では実行不可能である。また、1,000以上と数多くある仮想通貨の中でも、XRPは独特な通貨のひとつという見方もされる。
そのXRPだが、資産としての価値はどうかと言えば、仮想通貨に多く見られる投機的なものではない。まれに急上昇し、急落といったジェットコースターを演じることもあるが、比較的おとなしい相場である。
さて、このXRPがIRSに準拠した形で退職金ファンドの商品として扱うことになったことに対して、Bitcoin IRAのCOOであるChris Kline氏は以下のように語った。
「私たちは、このようにXRPを提供する世界初の企業です。XRPは顧客からの需要がとても大きく、優れたブロックチェーン技術を使い、国境を越えた送金を実現する独創的なイノベーションです。特別な投資機会を市場にもたらすために、XRPをBitGo社と提携することに興奮しています。」
世界初というのもさることながら、Ripple社がXRPのウォレットで提携しているBitGoも一緒になって取り組むというのだから、期待したいところだ。また、こういったIRAに選ばれるということは、それだけ信用に値する通貨と認められたという意味もあるだろう。
Bitcoin IRAによると、ライトコイン(LTC)、イーサリアムクラシック(ETC)、ビットコインキャッシュ(BCH)といった人気のある通貨も今後取り扱う予定としている。
XRPは1日現在27円から28円で推移しており、前日(24時間)比で10%ほどのプラスとなっている。好材料が立て続けに出ている今、市場参加者からは今後の相場動向が注目されている。
参考:Bitcoin IRA