このところの仮想通貨の相場が軒並み値を上げている。著名な投資家やアナリストの間ではバブルを懸念する声が高まる一方、これはまだ序章に過ぎないという意見も見られる。

30日15時のビットコイン(BTC)の価格は1BTC/4,600ドル(約50万5,000円)ほどを推移しており、前日(24時間)比では4.7%のプラスとなっている。

この相場に牽引されるように、アルトコイン(ビットコイン以外の仮想通貨)も価格を上げてきている。ビットコインは8月1日にビットコインキャッシュ(BCH)によるハードフォークで一時懸念があったものの、現在では落ち着きを取り戻している。ちなみに1日時点では1BTCあたり31万円ほどだったので、この30日間でどれだけ高騰したかは一目瞭然ではないだろうか。

24日には、SegWit(ブロックの容量確保)がアクティベート(実行)されたことも好材料と見られ、これ以降相場を上げている。

しかし、今度はSegWit2xによるさらにブロックサイズを引き上げる案が11月に向けて控えている。8月に分岐で騒動になったが、11月にも分岐するようなことがあれば、またこれを懸念し、アルトコインやフィアットへの交換をするか、もしくはビットコインキャッシュの付与で利益を得た方は味を占めて、積極的に買い集めていくか、といったことに分かれるだろう。このあたりの判断は情報収集含め、慎重に行いたい。

何れにしろ現段階では、11月のハードフォークについて不透明な点が多く、ビットコインキャッシュの時もそうだったが、仮に行われるようであれば、前後ではボラティリティ(価格変動率)が拡大することは可能性として十分に考えられる。

先日の隣国からの緊張が休まり、本日ドル円は一服感からか、110円近くと、ドルの買い戻しが見られる。対してビットコインはドルでの買いが強い。このことからやはり、有事でビットコインに資金を避難させるということよりも、単純にビットコインに投資資金が流入していると予測される。

仮想通貨自体が市場拡大の時期であって、さまざまな憶測や思惑によって相場が影響されやすい。ビットコインの価格が堅調に推移している今、5,000ドルまで伸ばすか、このあたりで調整局面となるか、市場参加者からは注目が集まっている。