クレディ・スイスが率いる銀行グループが、ブロックチェーン技術を使ったシンジケートローンの商業向けプラットフォームの立ち上げを計画していることが分かった。EUROMONEYにより伝えられている。
クレディ・スイスのブロックチェーン技術責任者のEmmanuel Aidoo(エマニュエル・エイドゥー)氏によると、銀行など関連するグループや代理店などの小規模なローンの取引を2018年にはスマートコントラクトを用いて、分散型のプラットフォームで稼動できるように取り組んでいるという。
また、この取組みはコストを削減し、貸借対照表上での貸出金エクスポージャーに対して資本を開示させる可能性もあるという。すでにこれに参加するグループは、第2段階の実証実験を済ませており、シンジケートローン市場を想定しているとのこと。
ブロックチェーン技術の最大のメリットと言えば何と言っても分散型ので複数のコンピューターによる管理体制だろう。しばしば、一元管理型のサーバと比較されるが、暗号化され複数に散らばったコンピューターを侵害するのはシステム上、ほぼ不可能だ。堅牢なセキュリティと処理速度、さらにコストダウンができることを望んでいるという。
主にミューチュアル・ファンドや機関投資家などを含む多くの投資家たちは、資本構造上で上位にある債権であるローンに魅力を感じるかもしれないが、ローン取引の期間が長引くことを解決することも視野に入れているようだ。
スイスなど欧州では特にブロックチェーン技術や仮想通貨の活用を見出しており、22日からはファルコンプライベートバンクがイーサリアムなど仮想通貨を顧客に提供するサービスを開始した。金融機関による取り組みはこれが世界初となる。
スイスの隣国であるオーストリアでも郵便局でビットコインやイーサリアムを購入できるサービスを導入するなど、積極的にインフラが進められている。
日本国内でも、多くの企業がブロックチェーン技術を活用してさまざまな管理システムの実証実験を行っている。現状ではプライベートブロックチェーンが主だが、パブリックブロックチェーンを利用していく動向も伺える。
ブロックチェーンというと、仮想通貨など投資面へスポットライトが当たることが多いが、こういった技術的な面も普及が進んでいることを知っておきたい。今後ますますの技術向上と発展に期待が高まっている。
参考:EUROMONEY