仮想通貨の歴史に刻まれたと言っても過言ではない、ビットコイン(BTC)の分岐問題だったが、当初懸念の声も強く、8月1日の付近では情報が整理ができていない方からは、パニックや狼狽売りもしばしば見られた。

確かに分岐前からすれば未知のことで、どうなるのか分からない以上はアルトコイン(オルトコイン)やフィアットへ交換しておくことは一番の安全策であることに違いはない。

しかしながら、傍らでは保有しているビットコインと同量のビットコインキャッシュ(BCH)が手に入ることもあり(各取引所の対応による)、買い増しをして資産を増やした方も多く見られる。

逆もまた然りで、ショートでポジションを取っていた方の中には、ビットコインキャッシュの返済分が発生してしまったという方も散見された。一概にどちらが正しい決断かとは言い切れないが、現物保有であれば多くの方がその恩恵を受けたのではないだろうか。

さて、その分岐から10日間たった今、改めて相場動向を見ていきたい。概ねだが、8月1日は1BTCあたり2,700~2,900ドルと大きく揺れ動いた。これはビットコインキャッシュのハードフォークの影響と見られているが、この後数日の間、横ばいの相場となったが、5日ころから急騰し、同日には3,200ドルまで上昇、8日には1BTC3,483ドルと、3,500ドルを試す勢いを見せた。(CoinMarketCapの統計より、以下同)

5日ころといえば、各取引所にてビットコインキャッシュの取引がされるようになった時期と重なる。ようするに、ビットコインキャッシュの分だけビットコインに交換されたと見られている。さらに、8日にはSegWitがロックイン(導入確定)され、これを好材料に買いが集中した。

ここから少し落ち着きつつも、11日17時現在では1BTC/3,493USD(約38万円)で前日(24時間)比で約2.5%のプラスと、再度高値更新と堅調な推移をしている。今月21日から22日ころにはSegWitがアクティベートされるので、この前後でも動きはあるかもしれないが、着実に底を固めているビットコイン。

可能性としては、11月にSegWit2xの2xのブロックサイズ引き上げのため、ハードフォークが行われれば、また少し下げてくることも考えられるが、先の懸念材料は織り込み済みであるとの見方も強い。

この先3,500ドルを上回れば4,000ドルあたりまで高値続伸も充分期待できる。懸念回避から好材料出尽くしという見解もあるが、どうだろうか。市場への新規参入者も増え、ビットコインだけでなくマーケット全体が拡大していることは確かだ。現在仮想通貨全体の時価総額は1,253億ドルと高水準を保っている。方方から今後の相場動向が注目されている。