以前から韓国ではビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)などに代表される仮想通貨の取引量の多くを占めていたが、ここのところ韓国では、さらに取引が活性化されている。一部では、米国と北朝鮮との間に緊張感が高まり、これに備えて有事の資金の避難先として仮想通貨に資金が流れてきていることが分かった。Bloombergにより伝えられている。

仮に有事が起きた際、自国の通貨の価値が保証される可能性は少ないだろう。そのため、「世界共通の通貨」として仮想通貨などへの避難が増えることは想定できるが、その取引量が増加の一方をたどっている。例えば、時価総額2位のイーサリアムは韓国ウォンでのシェアが40%近くを占めている。もちろん、投資家による純粋な投資資金もあるが、投資家以外の資金も含まれるという。

ちなみに、11日現在でのイーサリアム全体の取引量は韓国大手仮想通貨取引所のBithumbで23.79%、Coinoneで9.19%、Korbitで5.63%となっており、いずれも韓国ウォン建てでの取引である。(CoinMarketCapの統計より、以下同)

これに対し、ビットコインの取引高を見ると韓国ウォン建てでの取引は少なく感じるが、それでもBithumbだけでも全体の約3%のシェアを誇っているから、日本と比較しても多いことが分かる。この数字はあくまで韓国ウォン建てでのことなので、米ドル建てなど、別のペアを計算に入れれば変動はあるのでこの限りではない。

国民性の違いもあるかもしれないが、非中央集権型をメリットと見て仮想通貨を選ぶのは、それなりに知識もいるし日本では一般的な考えではないかと思われる。法律やインフラ面での課題もあるが、国内ではまだ普及の段階で投機的な資金が先行していると思われる。

日本も隣国との間で緊張感が走っていることは事実。できればこのような事は避けたいが、投資対象としての仮想通貨ではなく、有事の通貨としても備えておくべきかもしれない。極端な話だが、日本円は日銀がその通貨価値を管理してはいるものの、フィアットとして利用され続ける保証はどこにもないのではないだろうか。

参考:Bloomberg