7月31日、NHKの番組「クローズアップ現代」にて仮想通貨バブルの特集が放映された。日本デジタルマネー協会代表理事の本間善實氏を筆頭に仮想通貨取引所コインチェックの大塚雄介氏など、仮想通貨に関する著名な有識者たちが出演し、今の仮想通貨に対する見解を示した。本日もその話題で大いに賑わっている。
民放では、しばしば取り扱われる仮想通貨だが、NHKで放送されるとなると、やはりその影響力は桁違いだ。今まで仮想通貨のことを知らなかった層にまで認知が行き届いているようで、番組による反響も多く見られる。
同番組内では、俗に「億り人」と呼ばれる、少額資産(数十万~数百万ほど)を一億円以上に増やしたという方も登場し見解を述べていた。「億り人」は、一般的には株式やFXなどの個人投資を指すことが多いが、ここ最近では仮想通貨で稼いだ方にもこのように呼ばれる傾向にある。また、仮想通貨で稼いだ若者たちが集まり、高級肉でバーベキューをする様子も映され、若年層の投資に寄せる関心の強さも伺えた。
こういった内容を放送することでより多くの方が仮想通貨に関心を集め、これから新規参入を考えているといった声も多い。では、これから仮想通貨投資を始めて「億り人」になれるのか?この年初からの異常な暴騰を見ながら考察していきたい。
ビットコイン(BTC)は、2017年1月1日には963ドルほどで価格推移していたが、4月から5月にかけて激しく暴騰。5月25日には一時2714ドルの値を付けた。その2日後、27日には1,984ドルまで急落し、バブル崩壊だと嘆く声が市場を響き渡った。その後乱高下を続け6月12日には2989ドルの高値を見せたが、またしても急落し7月16日には1,905ドルまで下げ、「靴磨きの少年」だと方方で騒がれたが再度暴騰7月21日には2,738ドルを取り戻し、堅調な動向をしている。8月1日15時時点では2,911ドルと先の下落を取り戻している。
このようにビットコインはとにかくボラティリティ(価格変動率)が高い。わずか7ヶ月で3倍以上相場を上げる市場は少ないだろう。この波にうまく乗れるかどうかが肝で、下げ相場のときにショートで、底が見えそうなときにロングでポジションを取れるか?といったところに焦点があてられるが、まだまだ稼げる市場であることには違いない。
株式やFXの常識は仮想通貨には通用しないとも考えられている。常に予測困難で、チャートリーディングなどが仮想通貨に当てはまるのか、というところは今も議論がされている。仮想通貨市場が拡大しているとは言え、株式市場と比較しても圧倒的に小規模であり、参加者の少ない未熟なマーケットである。そのため、情報量も少なく、何をあてにするべきかは材料選びも難しいのが現状だ。
また、株式やFXに関しては詳しくても仮想通貨に関しては明るくないという方も多い、これから仮想通貨を始めるにあたって、仮想通貨を悪用した詐欺なども横行しているので気をつけて頂きたい。ICO(イニシャル・コイン・オファリング)などプレセールを騙ったセミナーやマイニングの投資事業などを知人からの紹介で出資をしてしまい、結果損失してしまうといったトラブルも起きている。ビットコインなどの取引をするのであれば、必ず取引所で行いたい。
仮想通貨市場は、「まだバブル期ではない」という意見と「過熱するバブルを危惧」する声と二分されるが、いずれにしても、これからさらに拡大していくとの見解は強いので、「億り人」を目指すなら今が絶好のタイミングかもしれない。しかし必ず儲かるというおいしい話ではない。仮想通貨投資に参加するのであれば、リスクを理解した上で慎重な判断が求められる。