米ワシントン州で、仮想通貨取引に関する新しい規制(上院法案5031)がされ、米大手仮想通貨取引所のPoloniexとBitfinexが、ワシントン州での業務を停止することが分かった。

今後、ワシントン州で仮想通貨取引所を運営する際には、ワシントン州金融機関から免許を取得し、データを第三者に提示し、監査を受けることが義務付けられる。この法案は2017年4月にまとめられており、7月23日に施行された。

すでに営業許可の承認を得ている取引所Geminiは引き続きワシントン州で業務を続けるようだが、大手PoloniexとBitfinexが同州内で営業をしないとなると、取引高に大きな影響をきたすことも考えられる。

PoloniexやBitfinexの顧客は別の取引所を利用すればいいだけだといった意見もあるが、これだけの大手が揃って利用できなくなるのはいささか、好ニュースとはいい難い。これは立場によって捉え方も違うだろうし、より顧客保護を強化するという観点では、少なからず意義のあるものかもしれないため、言及は控えたい。

しかしながら仮想通貨では、マネーロンダリング(資金洗浄)や、犯罪資金の流通に使われることもあり、まだ法律的な面でも扱いが難しい。日本国内でも4月に改正資金決済法が施行され、法整備が進んでいるとはいうものの、このあたりは、議論されていく余地があると考えられている。

また、今回のワシントン州でのPoloniexとBitfinexの件にとどまらず、今後他の州も規制強化のため、同法案により業務を取りやめる取引所が出てくる可能性も充分に考えられる。国外の取引所で仮想通貨の取引を行っている方はこのあたりも入念に確認していく必要があるので、ご注意願いたい。