仮想通貨市場を揺るがす騒動が起きている。ビットコイン(BTC)の分裂問題だ。ビットコイン投資家たちの間では連日、どのように対策をとるべきか話題に上がっている。

今回、懸念されているのは8月1日にUASF(ユーザー・アクティベーテッド・ソフトフォーク)という、SegWitを採用したブロックを優先するというものと、これに対立する案として、中国の大手マイニングファーム「Bitmain」が打ち出したUAHF(ユーザー・アクティベーテッド・ハードフォーク)という計画によってビットコインが分裂する可能性が高いとされることだ。

これについては、投資家やユーザー、マイナー、取引所や、その他関連企業など立場によって考え方やメリット・デメリットも異なってくるので、どの案を支持するべきかここでは言及しないが、実際にビットコインが分裂するとなれば市場に大きな影響を与えることは間違いないだろう。

分裂の可能性が高いのは8月1日の付近で、必ずしも起こるとは限らないが、可能性は高い。今、ビットコインを保有している方は、7月中には一時的に取引所からハードウェアウォレットに移動させるか、日本円に交換するなどの対策をしておくことが現段階でできる安全策とされる。

仮にビットコインの売買取引や決済などを行っている最中にハードフォークが行われた場合、最悪のケースではコインが消滅してしまう可能性もあるとの見方もされている。

7月末から8月初旬にかけては、ボラティリティが高くなっていくことも考えられているが、暴騰するのか暴落するのか、それとも落ち着いた推移をするのかはなにもわかっていない。相場なので当然とも言えるが、この前後は大きなレバレッジをかけたり勝負にでるのは控えるべきだという意見もある。

各仮想通貨取引所でも対応にに追われており、スイスの取引所のBityは早くて7月29日にもビットコインの取引を一時停止する予定としている。

日本仮想通貨事業者協会によると、分裂問題に向けての対策をどのようにするか、現段階ではいくつかの案はあるものの未定としている。同協会には多くの仮想通貨関連企業が名を連ねており、仮想通貨市場を救う救世主となるのか、多くの仮想通貨投資家たちは固唾を呑んで、市場を見守っている。

7月13日16時30分現在のビットコインは1BTC/27万円前後を推移、仮想通貨全体の時価総額は約9兆7,000億円と、10兆円を下回っている。今後の相場動向が注目されている。