総務省が、仮想通貨の「ブロックチェーン技術」の実証実験を行うことがわかった。公共事業などの入札手続きや物品調達の申請に活用し、自治体と各省庁との間での情報をシェアし、電子申請などを簡易化することが狙いとのことだ。総務省は、年内には入札での実証実験を始め、2018年を目処に、実用化を目指していくとしている。
民間とシェアして、産業分野での利用も検討しているという。民間では多くの企業がブロックチェーンの実証実験を行っており、また、自動運転のシステムや発電所といった場所での活用も見込まれているとのことだ。この他にも今後ネットワークの手段として期待されている技術だけに、政府が将来的にどのような活用をしていくのかも注目される。
ブロックチェーンは、分散型台帳技術、または分散型ネットワークと呼ばれる暗号技術。主に仮想通貨のビットコインなどの根幹技術を原型とするデータベースで、一度データがブロックに記録されると、ブロック内のデータをさかのぼって変更することができないようになっている。
サーバーが一元管理に対してブロックチェーンは複数のコンピューターによる分散管理なので、サイバー攻撃などによる改ざん防止もでき、入札手続きや、機密情報のやり取りも可能になる。海外では政府が積極的にこの技術を活用している国や地域も多い。
日本国内でも今年4月に改正資金決済法が実施され法整備も進んだため、これを基盤とした仮想通貨への投資が増えているが、海外送金や決済手段の普及も進んでいる。マネーロンダリングなどの悪用が懸念視されることもあり、良い面だけではないということも知っておきたい。