日本国内では不利とされている仮想通貨のマイニング(採掘)。主に電気代の高さや、土地・建物の管理などが理由として挙げられるが、それでもマイニングをしたいという関心は高まっているようだ。
18日には秋葉原の大手PC用パーツ専門店「ツクモパソコン本店」にて、マイニングに関するセミナーが開催され、多くの人を集めた。普段、投資や仮想通貨と遠い人も見られた。
マイニングにはグラフィックボードに搭載されるGPUを主に使い演算処理を行うが、ビットコイン(BTC)では既に海外で大掛かりな設備投資をしているマイニングファームが多いため、これから始めようと思うと、難易度は非常に高い。加えて、ビットコインはASICというマイニングマシンが採掘効率が高いということで、これからの参入は難しいだろう。しかし、ビットコインに限らずその他の仮想通貨、例えばイーサリアムなどであれば、まだ参入の余地はあるという。
AMDのグラフィックボード「Radeon RX 580/570」が効率がいいとマイナーの間では人気が高いが、現在入手困難な状況で、入荷しても即売り切れという品薄状態が続いている。しかし、メイカーからの正規品の入荷は見込まれないものの、代理店の「アスク」ではマイニングに特化し、カスタムされた「Radeon RX 470搭載カード」が、7月に出荷を予定しているという。
7月といえば、“変態マザーボード”こと「ASRock H110 PRO BTC+」の発売が予定されているため、このマザーボードにマイニング特化型グラフィックボードを挿して個人のマイニングファームのシステムを構築することも可能だ。ちなみに「ASRock H110 PRO BTC+」は13枚のグラフィックボードを挿すことができる。
しかしながら、システム自体の構築はそう難しいものではないが、大変なのはその後、管理と維持だ。GPUマイニングはとくに高熱を出すため、空調ファンなどで排熱処理をしても、狭い部屋ではサウナ状態になってしまう。冷却用に一般のクーラーなどを使用してもあまり効果はない上に、電気代がかさむ一方だろう。
いくらマイニングができても電気代と採算が合わなければマイナスになる一方なので、やるなら中途半端にやらないで、本格的に採掘したいところだ。日本国内ではあまり馴染みの少ないGPUマイニングだが、これからさまざまなマイニング用パーツが発売されれば、勝算があるかもしれない。それなりにお金と時間に余裕がある人は、浪漫を求めて個人でマイニングファームを始めてみるのもまた一興ではないだろうか。