仮想通貨イーサリアム(ETH)が21日大きく値を下げた。ここ最近、高騰していただけに、警戒を露わにする声も多い。今回相場を下げた要因として、イーサリアムの取引が殺到し、一時的にネットワークが不具合を起こしたためと考えられている。仮想通貨と言えばビットコイン(BTC)というイメージが強いが、イーサリアムはスマートコントラクトというシステムを採用しており、ビットコインと異なる性質のブロックチェーン技術に方方から期待されている。
イーサリアムベースでのICO(イニシャル・コイン・オファリング)が、ここのところ増加している。20日にはステータス(SNT)がICOを行った。ステータスを購入するためには、イーサリアムが必要なので、このICOに参加するために前もって購入していた層が一気に送金することによって、ネットワークが混み合い遅延を起こしたということだ。
このことから、イーサリアムのシステムに欠陥があるのでは?と疑問の声や悪材料だという意見も散見される。また、遅延ではなくトランザクションが生成されなかったという見方もされ、これを懸念材料とする声も強まっている。
しかしながら、2017年に入ってからというもの、乱高下をしながらも価格上昇を続けるイーサリアム。相次ぐICOとの相関関係もあるかもしれないが、長期的な目線でみても、今の相場は回復をしていくと市場では予測されている。
仮想通貨市場では7月の非課税が目先の材料とされているが、8月にはビットコインの分裂問題も抱えている。ハードフォークがなかったとしても、一時避難的に時価総額2位のイーサリアムに資金が流れてくるとの見方があるためだ。
イーサリアムは本日(6月22日)も値を下げ、1ETH/3万6,000円前後を推移している。仮想通貨は1日で相場が20%、30%の上下しても珍しくない市場だけに、買いのタイミングは非常に難しい。ボラティリティの高さから、FXで超短期の取引などをする場合は魅力的な市場かもしれないが、長・中期的な投資の場合はとくに困難を極めている。
その他のアルトコイン(オルトコイン)も全体的に値を下げているだけにここは様子見が正解かもしれない。急騰につられて、ジャンピングキャッチをしようものなら泣きを見るのがオチだ。今後の相場動向に注目していきたい。