沖縄銀行が日本IBMと主に仮想通貨などで使われるシステム、ブロックチェーン(分散型台帳)を活用したサービスの提供に向けて実証実験を開始することが15日、明らかとなった。これはIBMのクラウドサービス「Bluemix」上でブロックチェーンを活用するものとし、まずは2ヶ月間をかけて、沖縄銀行本部(浦添市)の職員食堂にてブロックチェーンを使ったシステムによる、食券の販売や管理を行うことに成功させた。
国内でもさまざまな企業がブロックチェーンを活用した実証実験を行っており、日々進化するテクノロジーに可能性を見出しているが、沖縄銀行による新たなサービスとなると気になるのがやはり「仮想通貨」の取り扱いだろう。ネットやSNSなど各所では「沖縄限定の仮想通貨か」「沖縄電子マネーって事か」などの声が散見される。仮想通貨バブルと言われる今、こういった動きは気になるところだろう。
しかしながら、沖縄銀行は現状では仮想通貨に向けた取り組みまでは検討していないと思われる。そのひとつの要因として考えられるのが安全面の保証だ。顧客の資産を預かる銀行という立場では、まだハッキングなどによる改ざんに充分な保証を得られていない仮想通貨を発行、またはビットコインなどを扱うということは考えにくい。取引所が問題を起こしたら莫大な被害につながる。
この4月に改正資金決済法が施行されたとはいえ、法律的な問題も絡めて沖縄銀行独自の仮想通貨を世に出すということはないだろう。メガバンクではリップルなどのブロックチェーンを送金システムに活用していくべく取り組みも見られるが、こういったサービス展開であれば将来期待できるだろう。
まだ職員食堂での食券のやり取りや管理の実証実験をしている段階なので、これから沖縄銀行がどのようなサービス展開をしてくのか、ブロックチェーンの技術を応用したシステムで世を驚かせてくれるのだろうか。さまざまな方面から動向が注目されている。