2017年5月に入ってから、世界規模で被害が増えているサイバー攻撃、ランサムウェアの「WannaCry」ですが、感染すると金銭を要求され、これを支払わない限り、コンピューターをロックされたり、ファイルを暗号化されるなど、使用できなくされるといった被害が全国的に広がっています。

今後も拡大されていく可能性もあり、企業はもちろんですが、個人にとっても命取りとも言える深刻な問題ではないでしょうか。まず、感染しないことが大前提ですが、いざ攻撃されてしまっては支払いに応じるしかないのでしょうか。

低所得に対する同情か?

金額にして約300ドル程度をビットコインでの支払いを求められるケースが多いようですが、これを支払わないでも解除された事例がシンガポールのメディア「Channel8News」によって伝えられています。

「Channel8News」によると、被害を受けたのは台湾のユーザーで、300ドルの要求に対し、自身の月収が400ドルほどで、支払うことが厳しいと伝えたところ、そういうことなら支払う必要はないとし、無料で解除したとのことです。また、台湾に対する攻撃は誤ったともしています。

ネットでは優しいという声も

これに対し、ネット上でも大きく話題となっていて、「意外といいやつだな」、「やさしい世界」、「犯人いいやつすぎる」、「金持ちからだけとるとか聖人だな」といった犯人は優しい人だとする声や「日本ではビットコインの知名度が低すぎて失敗した模様」、「ビットコインってなんなんや?」、「そもそもビットコインの振込が難しくてできない」、「ビットコインってどこで買うんだ」といったビットコインが分からないといった声も見られます。

ビットコインはネット上で取引きされる仮想通貨の一種です。日本国内でのユーザーは少なく、また、中央銀行のような管理をしている機関がなく、主にP2P型で取引きされることから、足がつきにくく、こういったサイバー攻撃などの犯罪に使われることも多いようです。まれにビットキャッシュと混同される人もいるようですが、ビットキャッシュとは別の通貨です。

スマホを狙う手口にも気をつけて

今回の台湾のユーザーが、支払えなかったがゆえにロックが解除された件は、お金のないところを攻撃しても効率が悪いからということで、慈悲や同情からといったことではないようです。ネット上では「優しい」といった声が多く見られますが、相手はまぎれもない犯罪者であって、悪質なことには変わりありません。また、ランサムウェアに限らず、さまざまなマルウェアがあり、スマホを狙うマルウェアの被害も増えていますので、スマホユーザー皆様もお気をつけください。

参考:Channel8News