MacRumorsによると、ヒップホップアーティストであり、音楽配信サービス「Tidal」のオーナー、Jay Z(Shawn Carter)が自身のソロ・アルバムをiOS/Android対応の音楽アプリ「Apple Music」から削除したと伝えている。

Jay Zは、過去にも自身の代表作「Reasonable Doubt」や名作「The Blueprint」のシリーズなどを含むいくつかのアルバム・タイトルを削除しているが、今回は以前とは状況が少し違うようだ。

自身の楽曲を削除した理由

MacRumorsによると、現在は「Kanye West」、「Linkin Park」、「R. Kelly」、「Rihanna」とのfeaturingなど、コラボ曲の一部のみが残っているとのことだ。さらに、Jay ZはApple Musicと競合する音楽配信サービス「Tidal」を所有しているため、自身の楽曲をApple Musicから削除したのは、競争上の理由にも原因がある可能性も考えられている。

「Kanye West」は以前、AppleとJay Zの間に深い溝があるかもしれないことを暗示していた。しかし、Jay ZのアルバムはSpotifyからも削除されていることから、今回のことはAppleとの間だけで起こりうる問題ではないかもしれない。

SpotifyのTwitterによると、「Jay Zのタイトルの一部がアーティストの求めにより削除されたことを確認している」といった内容でツイートはしているものの、真意は明らかではない。現在、Jay ZのアルバムはiTunesで購入することができ、少なくとも当面はGoogle Play Musicなどでもストリーミングすることは可能だ。

音楽配信サービスTidal

TidalはApple Musicと同じく月額9.99ドルで利用でき、さらに高音質のプレミアムティアは月額19.99ドルで利用できる。Tidalは昨年2016年3月に300万人以上のユーザーを獲得しているとしたが、最近の報告によると、支払ったユーザーの数が膨らんでいる可能性もある。Apple Musicは昨年12月時点で2000万人以上のユーザーを抱えており、Spotifyは先日、5,000万人以上のユーザーがいることを発表した。

Sprintが関与した可能性は

ソフトバンク傘下のSprintが今年1月にTidalの株式の33%を取得した際にはユーザー以外には利用できないオリジナルコンテンツをサービス提供するとした。今回のJay Zの楽曲がApple MusicやSpotifyから削除されたことに関してはTidalの株主であるSprintと何かしらの関係があるかどうかは明らかでないとしている。

参考:MacRumors