イギリスの広告規制当局であるASA(Advertising Standards Authority)は水曜日、暗号通貨Flock Inuに関する広告の禁止を発表した。広告では投資家のFOMOを煽り、消費者の恐れを利用した無責任なもので、消費者の経験不足や信憑性を利用しているとASAは述べている。

Floki Inuはバイキングのヘルメットを被った犬のアイコンを採用した暗号通貨で、DOGEやSHIBなどに続く日本犬をモチーフとしたミームコインの一種である。2021年6月25日にイーロン・マスク氏が「私の柴犬はflokiと名付けよう」とつぶやいたところからスタートし、翌7月にはUniswapへと上場した。

FlokiのエコシステムはホワイトペーパーによればNFTメタバースゲーム「VALHALLA」、NFTストア「FLOKIPLACES」、教育プラットフォーム「FLOKI UNIVERSICY」、そしてDeFiプラットフォームに加え、現段階では非公開のミステリープロジェクトを含んだいくつかのプロジェクトから成っている。

FOMOはFear Of Missing Outの略語で、取り残されることの恐れと訳される。「自分がいない間に他社が有益な体験をしているのではないか」という不安感を指し、SNS病とも言われ、情報過多の現代病とも言える。

Flokiに先立ち暗号通貨界隈ではDOGEやSHIBといった、犬をモチーフとした急激な値上がりを見せた暗号通貨が流行した経緯を引用し、バイキングヘルメットを被った犬のマスコットに「Missed Doge?(DOGEを逃した?)」と語らせる広告は、FOMOを煽る非常に悪質な広告であるとASAは判断した。

ASAは12月にも7件の暗号通貨広告の取り締まりを行っており、英国政府は1月に「誤解を招く主張から消費者を保護する」ためとして、暗号通貨広告に新たな規則を課す計画を発表した。