アメリカ合衆国で政治家を務めるヒラリー・クリントン氏が暗号通貨取引所への対応に関して、バイデン政権とEUを批判する発言を起こしている。ウクライナへ侵攻したロシアへの経済制裁が決議され、新たな制裁も検討されている状況だが、制裁の抜け道となりうる暗号通貨への締め付けが甘いことを指摘している。

ヒラリー氏は、規制当局がロシア内外の政府と民間の取引の両方で、暗号市場がロシアに逃げ道を与えるのを防ぐ方法を真剣に検討する必要があると述べている。

米国第42代大統領のビル・クリントン氏のファースト・レディであり、自身も上院議員や国務長官などを務めてきたヒラリー氏だが、バイデン政権やEUなどが制裁を強く打ち出したにも関わらず、暗号通貨取引所といった逃げ道を用意したことに対して「失望した」と語り、強く批判した。

2月28日にはBitcoinやEthereumの取引が一日あたり約15%ほどの上昇が見られ、米ドルペッグのステーブルコインであるTetherとロシアルーブルとの取引量が急増していることなども報じられている。

当事国であるウクライナからも規制の声が上がっており、ウクライナのフョードロフ副首相から世界の主要暗号通貨取引所にむけてロシアのユーザーのアドレスをブロックすることがTwitterを通じて要請されている。

いくつかの暗号通貨取引所はこれに対してアカウントの凍結に応じないことをすでに表明しており、KrakenのCEOであるJesse Powell氏は政府からの法的要件がある場合に限りアカウント凍結が可能になると述べた。

ヒラリー氏は、ロシアの経済を孤立させるために暗号通貨取引所によるブロックが必要であり、法的な規制が必要であれば可能な限りの出来ることをすべきであると主張した。