スイス最大の銀行であるUBSのグローバルウェルスマネジメントチームは先週、暗号通貨の直接保有に代わる代替投資に関するリサーチノートを発表した。

ノートによればUBSは暗号通貨への直接的な投資は非常に投機的で大きなリスクをはらんでいると説明しており、暗号通貨へのエクスポージャーを獲得しようとする投資家向けに新たな投資戦略を提案している。

同銀行のアナリストは昨年11月に見せた暗号通貨の記録的な高値から最近の下落を見て資産クラスの持つ最も一般的な防御の2つが弱体化したと考えを明かしている。

一つは株式などの従来の金融資産からの効果的な多様化の形態と、もう一つがインフレの上昇に対する保護を提供する「デジタル・ゴールド」の役割をそれぞれ提供することであると述べた。

一方で、暗号通貨への投資が非常に投機的であると述べつつも、デジタル資産の基盤となるテクノロジーが投資家にとって未だ魅力があることも強調しており、「金融サービスやヘルスケアから高級品まで、さまざまな用途が考えられ、この10年間で世界のGDPが1兆米ドル増加する可能性があります。」と説明している。

UBSのアナリストは暗号通貨分野への投資の方法としてまず分散型台帳テクノロジー(DLT)のより広範な使用から利益を得る可能性が高いことを指摘し、ブロックチェーンエコシステムに必要なインフラを構築する企業へ投資をすることを挙げた。

DLTアプリケーションが今後発展していくためには特定用途向け集積回路(ASIC)やGPUなどといったネットワークの検証に必要なハードウェアが更に要求されていくと予測。その他にはインフラ全体の構築を支援するソフトウェアメーカーやデータセンター関連企業が含まれる。

次いで、DLTベースのアプリケーションを採用できるプラットフォーム企業を挙げた。テクノロジーが今後5年スパンでますます採用されるようになるにつれ、新しい製品サービスとカテゴリの導入、テクノロジーの使用による節約の可能性、潜在的な低価格、およびビジネス効率の全体的な改善からの機会が見込まれると詳述した。

年が明けてUBSは、FRBの利上げと規制が予想される中、暗号通貨の冬について警告している。