米国証券取引委員会(SEC)のゲイリー・ゲンスラー議長は先週の投資家諮問委員会で暗号通貨市場について懸念を表明した。委員会でゲンスラー議長は暗号通貨の時価総額を引用して「残念ながらこの資産クラスは、特定のアプリケーションでの詐欺、および悪用に満ちています。多くの場合、投資家は、トークンまたは取引および貸付プラットフォームに関する厳密でバランスの取れた完全な情報を取得できません。」と語り、暗号通貨に対する投資家の保護が現在十分でないと説明した。

また、現時点で投資家保護に問題点のある取引、貸し出し、および分散型金融(DeFi)プラットフォームで暗号通貨の購入、販売、貸し出しが行われていることについて、市場が操作されやすくなり、さらに投資家が脆弱なままになると強調した。

ゲンスラー議長は多くの暗号通貨トークンが有価証券として提供、および販売されていると主張している。1930年代に株式、債権、手形など約20の項目が含まれる証券の定義が確立されており、トークンもまた有価証券とみなされると説明した。

ゲンスラー議長は投資家保護の問題を解決するためには、取引が行われている全ての暗号通貨・トークンで大規模な流出を許さないことが最善だと述べた。

一方で暗号通貨を運用、開発するコミュニティからはゲンスラー議長のこういった主張に対して、実質的に暗号通貨をどのように取引すればよいか、規制の明確さが不足しているとして批判の声も上がっている。

委員会の締めくくりでゲンスラー議長は「この分野が継続する場合、公共政策の枠組みに取り入れたほうがよいだろう」と述べた。