ナイジェリア中央銀行(CBN)が先日立ち上げた中央銀行デジタル通貨(CBDC)であるe-nairaは、金融包摂を促進するツールとして期待され、宣伝されてきたが、ナイジェリアの一部の専門家によると銀行口座を持たない人向けになっていないと主張をしている。

e-nairaはアプリを通じてスマートフォンでデジタル通貨決済を実現する仕組みだが、アンドロイド向けアプリストアGoogle Playからリジェクトされたという背景もあり、個人ユーザー向けにまだふさわしいものではないという意見に信憑性をもたせている。

現段階のe-nairaアプリは取引を行う前に銀行のアプリを使用する必要があるとナイジェリアの暗号通貨専門家Chiagozie Iwu氏は語っており、銀行口座を持てないすべてのナイジェリア国民のための金融サービスを提供するという理念は果たされていないと主張している。

また、CBNはスマートフォンユーザー以外でもデジタル通貨で取引できるようなe-nairaウォレットを作成することを繰り返し約束してきたが、現時点でその約束も果たされていないという。

Iwu氏はe-nairaについて上記の点から無計画なプロダクトであると糾弾しており、e-nairaを管理する中央銀行側の能力に疑問を投げかけており、アプリに潜在するバグについても懸念をしめした。一方で、プロジェクトのために確保された資金を適切に使用すればこれらは回避できたはずであると改めて銀行側の能力を疑問視した。

金融包摂を達成するためのソリューションとして期待されたe-nairaだが思うようなスタートは切れなかったようだ。一方でCBNは現在、銀行口座を持たない人向けのアプリをリリースに向けて取り組んでいるという報告が2日に地元メディアからあがっている。