東南アジアのラオスで中央銀行デジタル通貨(CBDC)の開発に焦点を当てた調査を今月から開始することを2日発表した。開発には日本の新興フィンテック企業ソラミツが関与することが明らかとなった。

ソラミツはラオスの隣国カンボジアでも同様のプロジェクトに関与してきた実績があり、2020年10月にはカンボジア国立銀行と共同開発したデジタル通貨「バコン」の正式リリースも行っている。

カンボジアでのバコンは米ドルへの依存を減らすためのシステムとして導入され、一般に公開されてからこれまで20万人のユーザーにダウンロードされ、カンボジア国内2000店舗で支払いに利用できるという。

ラオスは国際協力機構(JICA)とCBDCの調査について覚書を交わしており、デジタル通貨によって自国経済の現状把握に必要なデータが取得しやすくなることが期待されている。

東南アジア全般で米ドルへの依存は深刻的ではあり、非公式の主軸通貨となっている国も多いというが、現在は中国経済の規模が拡大するに伴い人民元の重要度もましており、CBDCの開発は米ドル・人民元への依存に対して両睨みの対策となる見通し。

対する米国は今でも米ドルが世界で最も信頼の置ける通貨であるという自負を持ち、通貨のデジタル化へ及び腰の一方、中国は世界に先駆けてCBDCの開発に着手した国家でもあり、二大経済大国のスタンスは二分されている。

その他、アジア地域ではブータンやヒマラヤなどが、クロスボーダー取引のRippleとパートナーシップを結んでCBDCを計画していることが発表されている。