アメリカのKatie Haun元連邦検察官は、金融規制当局が暗号通貨を規制しようとしていることに対して、暗号には金融のユースケースを遥かに超える多くのものがあり、規制は万能ではないと主張した。Haun氏は規制が欠如しているとは考えづらく、現状は業界が規制の明確さを求めていると付け加えた。

Haun氏は水曜日、CNBCのDカンファレンスにおいて暗号通貨と規制についてを話した。元連邦検察官のHaun氏は現在ベンチャーキャピタルAndreessen Horowitzのゼネラルパートナーを務める。

彼女は連邦検察官として勤めた10年の間にサイバー犯罪や企業犯罪に焦点を当てた案件を捜査し、政府の最初の暗号通貨タスクフォースも作成。マウントゴックスやシルクロードに関わる調査を主導してきた経緯を持つ。

規制当局は暗号通貨のたどる道がそれらと同様になると考えているようだが、単なる金融のユースケースを超えた能力を持っている事実を把握する必要があると彼女は指摘した。

米国証券取引委員会(SEC)のゲイリー・ゲンスラー議長が暗号空間を規制が欠如している様にたとえてワイルド・ワイルド・ウエストのようだと発言したが、Haun氏はこの意見を否定しており、規制の必要性は唱えつつ、本当に重要なのは存在する規制が消費者にとって明確であることだと述べた。

一方で、暗号コミュニティのなかにも規制に強く否定的な派閥もあり、テスラのCEOであるElon Musk氏は規制の波に対して、当局は「何もしない」べきであると述べている。

SECはRippleに対して訴訟を起こし、暗号貸付を計画してきたCoinbaseにもウェルズ通知を送るなど、規制強化を行ってきているが、いずれも規制の線引が不明瞭でありどのように事業を行うべきだったかが明らかでないと不平は出ており、SECの方針について疑問を呈す声は多くなっている。