ビットコイン市場は高値から数十兆円規模の時価総額が消失し、暗号通貨に懐疑的な見方を示す識者などから「ビットコインは死んだ」と囁かれる事態に陥っているが、同様の尺度でいうとビットコインは今年既に21回死んでおり、ビットコインマキシマリストによれば今回の急落はまた次回の賛辞を提供することになるだろうと指摘されている。

BTC市場は2021年4月14日に史上最高値の64,895ドルを更新した約1ヶ月後の5月19日、53%の損失率となる30066ドルの安値まで下落した。一部は巻き戻し損失を取り返したが、それでも前日の高値と比べると大きく落ち込んでいる。

こうした値動きを見て暗号通貨嫌いの識者たちがビットコインの危険性を改めて説くシーンや、古のオランダのチューリップバブルになぞらえて暗号通貨を批判する声などが見られるようになる。

米国サブプライムローンに端を発する世界金融危機を言い当てていたとしてMr. Doomとも呼ばれるようになったヌリエル・ルービニ氏は大の暗号通貨嫌いとして知られているが、彼も今回の急落に対して「ビットコインは一ヶ月足らずで40%以上も低下する、本質的に価値のないリスクの高い不安定な疑似資産」と指摘し、そのような無謀な投機的ギャンブルを行おうとする機関投資家がいるなら、彼らはその場で解雇されるべきだと述べた。

経済学者のピーター・シフ氏も今回が本格的なビットコインの弱気相場であると信じている一方で、暗号通貨系YouTubeチャンネル「Colin Talks Crypto」では強気相場はまだ続いているため、安値で再購入するつもりであると述べた。

コロナ禍のパンデミックを受け当初は大幅な下落からスタートし、2021年には史上最高値を更新するまでに至ったビットコイン市場だが、暗号通貨ポータル99bitcoins.comに寄せられた記事によれば2021年だけで21の「ビットコイン死亡説」が挙げられている。

逆説的には20度の復活を遂げていることになるが、果たして21度目の復活も近い将来訪れるだろうか。