ドイツの銀行大手であるドイツ銀行はビットコインのことを、現在流通している通貨のうち3番目に総価値の高い通貨であるとしており、無視するにはあまりにも巨大な通貨であると指摘した。

ドイツ銀行のリサーチ部門が先週ビットコインに関するレポートを発表し、アナリストのマリオン・ラブレ氏はレポート内で「資産運用会社や企業がビットコイン市場に参入し続ける限り、ビットコインの価値は上昇し続ける可能性がある」と指摘している。

ビットコインの時価総額はボラティリティの問題こそあれど既に米ドルになおして1兆ドルを超え、日本円の流通総額を超えて米ドル、ユーロに次ぐ3番めに巨大な通貨に育ったといえると語られた。

発行総量はマイニングに制御されており急激な伸びを見せることはないビットコインだが、2020年初頭と比べると為替市場で約8倍ほどの伸びを見せていることが、時価総額の急成長を支えている。

ラブレ氏によれば、ビットコインの価値は人々により価値があると信じられていることに裏打ちされており、ピーターパンがティンカーベルの実在を主張することでティンカーベルの存在が信じられているようなことからティンカーベル効果とも呼ばれる現象によりビットコインの価値も支えられていると主張している。

また、短期的には価値を変動し続けながらも現在の地位を維持するだろうと述べたが、長期的には中央銀行が通貨の独占を放棄する可能性は低く、政府と中央銀行が規制する能力を失わない限りは支払手段としてビットコインが法定通貨に取って代わる余地はほとんどないと結論づけた。