アドビの提供しているiOS/Android向けの写真、画像作成アプリ「Lightroom mobile」が2017年3月6日にアップデートされ、新しく撮影モードが追加された。

追加されたHDR撮影モード

「Lightroom mobile」にRAW HDR撮影モードが追加された。この撮影モードは、従来、ミラーレスカメラやデジタル一眼レフカメラといった機材が必要だったHDR(ハイダイナミックレンジ)撮影をiPhoneやAndroid端末などのモバイルで行うことができる。RAW HDR撮影モードは、今回のアップデートにより、iOSは「バージョン2.7」Androidは「バージョン2.3」に搭載される。

より高品質な画像処理に

HDR撮影モードは、被写体を自動でスキャンし、露光範囲を正確にとらえ、DNGを3枚撮影することで位置の修正や合成加工、トーンマッピングや残像処理まで自動で行う。「Adobe Camera Raw」と「Lightroom」に使われているアルゴリズムや技術を使うことで、RAWとHDRの両方のメリットを導入し、16bitの浮動小数点のDNGにより、同格の品質で画像処理がされる。モバイル端末でこの処理を実現したことで、従来のHDR画像の撮影で行われていた複数の露出設定などの手間がなくなり、より広角なダイナミックレンジの写真をすぐに編集可能となった。

HDRに対応しているデバイスは?

iOSで、HDRモードを利用する場合は、「iPhone 6s」、「iPhone 6s Plus」、「iPhone 7」、「iPhone 7 Plus」、「iPhone SE」、「iPad Pro 9.7」といった、DNGでの撮影が可能なデバイスが対応している。Androidでは、「Samsung S7」、「Samsung S7 Edge」、「Google Pixel」、「Google Pixel XL」が現時点で対応している。アドビの高水準な品質保持と信頼性を欠かさないためにも、安定して動作する処理性能とメモリ容量を確保する必要があり、「Samsung S7」や「Google Pixel」といった高性能、高機能のデバイスにより、こういったアルゴリズムが求める品質と機能を実現させた。

今後も他のデバイスへの対応も視野に入れているという。今まで複数の露出設定をし、画像をパソコンに取り込んで「Photoshop」などで合成処理をしていたユーザーにとっては、待望のアップデートとなった。