全世界に広がりを見せたコロナウイルスのパンデミックは世界中の人々の生活を大きく変えた。「人との接触を避けるため」に大打撃を被った業種も少なくはないだろう。店舗を構える業態においては例外なく被害にあっていることだろう。

ネットカフェにおいても同様であり、不特定多数がPCに触れ、大勢で空間を共有するというのはコロナ禍において忌避される環境そのものでもある。この逆風を既存の設備で乗り切ったネットカフェが韓国でみつかった。

日本のネットカフェが漫画喫茶需要で発展し個室中心になったのと異なり、韓国はパソコンゲーム市場が盛んなためオープン席で他のユーザーと共に楽しむゲームセンターのような空間に近くなっている。

コロナ禍で人々の来客が途絶えたネットカフェの収益を支えたのが、使われなくなったパソコンたちだった。ネットや動画鑑賞などが主目的ではなくパソコンゲーマーがターゲットとなるネットカフェのパソコン設備には高性能のGPUが備え付けられていることが多く、人々の使用していない間はマイニングにうってつけのマシンとなった。

ソウルでネットカフェを営む金氏曰く、36台のコンピューターでEthereumを一日中採掘して0.12~0.15 ETHを採掘。2週間で350万ウォンほど採掘し、電気代は多く掛かるが採掘量のほうが多く黒字化出来ていると語った。

また、マイニング中のマシンは周辺が80度ほどまで上がるとしており、この時期のソウルにおいては暖房費まで節約でき、一石三鳥とも述べているが、一方でこれから暖かくなっていくにつれて課題も増えていくことになる。

仮想通貨全体の上昇トレンドならではの対処法といえるが、こうした事例を受けてマイニングに参入するネットカフェが韓国では増えていると伝えられている。

参考:朝鮮日報