クレジットカード大手VISAは、銀行が暗号資産機能をシームレスに統合するための新しいシステムを試験運用する計画を発表した。新たなシステムを利用して銀行はビットコインの購入や取引、保管などといった暗号資産サービスを提供できるようになる見通しが語られた。

VISAはまた、デジタルネイティブ銀行のFirst Boulevardとのパートナーシップを発表し、この銀行がVISAの新しい暗号APIスイートを最初に試験運用する予定も発表した。

First Boulevardはアメリカにおける貧富の格差として象徴的であるアフリカ系アメリカ人へ焦点をあて、格差を解消させるためのデジタル銀行として設計された新興銀行である。

世界銀行の調査によれば銀行口座を持っていないことと所得格差は相関関係が見られるとしており、先進国米国においても例外ではなく、正規の口座を持たないことで資産形成や将来設計、信用格付けなどが機能せず、経済的損失が甚大であることが指摘されている。

VISAのパイロットプログラムによりFirst Boulevardは、VISAのパートナーであり連邦公認のデジタル資産銀行であるAnchorageが提供するインフラに接続できるようになるとVISAは説明し、Anchorageのサービスを通じてFirst Boulevardの顧客がデジタル資産の購入などのサービスへとアクセスが出来るようになる。

VISAのCPOJack Forestell氏はこのプログラムを「暗号資産とブロックチェーンネットワークへの簡単なブリッジを提供することで、VISAの価値をネオバンクと金融機関のクライアントへ拡大したい」考えを述べ、現在VISAに加盟する7000万の店舗とデジタル通貨の架け橋になることを目指すと語った。