中国の中央銀行・中国人民銀行(PBOC)の発行するデジタル通貨(通称:デジタル人民元)がこれまでに11億元に相当する約313万件に及ぶ取引に利用されてきたことが、中国人民銀行の副総裁によって明らかとされた。

国際送金ネットワークSWIFTが主催する金融サービスイベント「Sibos」で月曜日にPBOCの副総裁Fan Yi Fei氏はデジタル人民元に対して進捗状況を語った。中央銀行デジタル通貨(CBDC)の先駆けとして知られる中国では現在積極的にテストが行われており、11億元に相当する313万件の取引がデジタル人民元を通じて行われたと述べた。

また、Fan氏はデジタル通貨のユースケースについて請求書の支払いから輸送、政府サービスに至るまで6,700以上のユースケースを促進してきたと語り、利用方法にはQRコード決済や顔認証、タップ&ゴーなど複数のオプションがあると説明した。

パイロットテストにおいて113,300の個人向けウォレットと8,800の企業向けウォレットが作成され、深セン市では新型コロナウイルスの症例を扱う約5,000人の医療従事者に報酬を与えるためにデジタル人民元を利用したことも明らかにした。

参考:South China Morning Post