ソフトバンクが「Softbank Card 3.0」と呼ばれる、仮想通貨ウォレット機能のあるデビットカードをローンチする噂が、現在国内外を賑わせている。
おそらく初出となるPRサイトの記事は削除されており現在閲覧が出来ないが、Googleに残されたキャッシュによれば、まず口座から即引き落としされるデビットカードカードに、仮想通貨ウォレット機能があるのが特徴の1つと記載されている。
「Softbank Card 3.0」では今までのウォレットカードとは違う暗号化システムの採用で、セキュリティ性能とアクセスのしやすさを両立し、Wi-Fi機能が搭載されているという。仮想通貨ウォレットに関して、Wi-Fi環境下ではホットウォレットになり、オフライン環境では自動でコールドウォレットとなる。また、法定通貨とデジタル通貨の切替ボタンも搭載される。
最新鋭のバッテリー技術により3年間使用可能で、LEDスクリーンには残高表示機能もあるなど夢のような機能を兼ね備えつつ、モックに見られる限りユーザーインターフェースは既存のクレジットカードと差異を見出すのは難しいようなシンプルなものとなっている。
最近の関連ニュースとしては、仮想通貨のインフラ決済サービスのWyreが、Google PayやApple Payで仮想通貨を購入できることを発表。他にもFacebookのリブラやAmazon Payと言ったように、世界を席巻するサービスが続々と仮想通貨による決済サービスを始めているので、それを受けての「Softbank Card 3.0」ローンチと指摘されている。
PRサイトによれば最初は日本のみ10,000店舗ほどでの利用を視野に入れ、そこからアメリカやドバイやアジア諸国で使われる運びとなっている。
ところがソフトバンクはこの発表を否定している。プレスリリースの発行元は「SBC Wallet Cards」となっているが、ソフトバンクの広報によれば「知らないところでコメントされている」という。また、仮想通貨ウォレット開発のDynamics社と提携した事実はあるものの、公式発表以上のことはコメント出来ないとも付け加えている。
初出のプレスリリースに記された「11月27日にSoftbank Card 3.0が公式にリリースされる」という未来時制の文言も、12月1日の発表の冒頭にはそぐわないものかつ、第三者が検証可能な範囲でフェイクであり、信憑性は非常に薄いと言わざるを得ない。
以前、ソフトバンク社長を務める孫正義氏は仮想通貨に対し否定的でブロックチェーンは肯定的な発言をしていた。舵の取り直しはあり得る話ではあるが、今回の発表はソフトバンク側としてはフェイクニュースという立場だろう。一つ、過去11月27日リリースする予定だったものの計画が順調にいかず延期、海外向けプレスリリースだけが残っており誤って公開したという可能性もないわけではないが果たして続報が公的に発表されることはあるだろうか。
参考:CISION(404 Not Found)