ロシアの大手ニュースメディアグループRBCは、BRICSにおいて共通で使用できる仮想通貨の開発について話し合いを進めている事を報じた。

BRICSはブラジル・ロシア・インド・中国・南アフリカからなる各国の頭文字から取られてたものであり、ゴールドマン・サックスのエコノミストとして務めた経歴を持つジム・オニール氏が2001年に命名した。当時は4カ国で名称もBRICsであったものを、2011年に南アフリカ共和国が加入し、BRICSへと名称が変わった。

ロシア直接投資基金(RDIF)のキリル・ドミトリエフ局長曰く、今年ブラジル内で行われた第11回BRICSサミットにおいて、改めて提案されたものが支持された形であると言う。ドミトリエフ氏は今回の協議における金融サービスワーキンググループの議長を務め、ロシア内では大統領にダイレクトに考えを伺える程の権限を持つ。

BRICS内の決済においては「各国の法定通貨でのやり取りを盛り上げるものとなる。世界の流入の20%以上のシェアとなっているBRICS内の国の経済の安定性が上昇。さらに5年間においてドル決済の対外貿易のシェアを大幅に減らし、ロシア・ルーブルの割合を増やした。」と語り、マネーロンダリングやテロ・麻薬の為の資金の抑制にもなっているとも付け加えた。

G20サミット前の6月に大阪で行われたBRICS首脳会議において、習近平国家主席とプーチン大統領は「自国内の産業を守ろうと関税や輸入制限をかける保護貿易が、世界経済としては打撃を受けている。」とトランプ政権の政策に間接的に非難の意見を述べていた。

BRICSにおける貿易でのドルシェアの減少とロシア・ルーブルの割合増加は、貿易保護に対する脱却の結果と言う側面もありそうだ。

参考:RBC