カウンティアバンクは、仮想通貨のレンディングサービスCoinOnを終了する事を9月30日に発表した。仮想通貨レンディングとは仮想通貨の融資サービスであり、出資者は利子を受け取ることができる。2017年の仮想通貨バブルの際にユーザー数が劇的に増えたが、投資目的のための保有が大半を占め、商品・サービスの購入に使用しないユーザーが多くいた。

そこで、保有資産として出回らなくなった仮想通貨を市場に回すために取引所などが銀行代わりとなり一時的に預かり、仮想通貨を借りたい人のもとへ渡す橋渡しをするところが多く出てきた。借りた人はもちろん買い物に使うことも可能だが、それを元手にレバレッジ取引の軍資金とすることも可能だという。

しかし、ユーザーからするとサービスとして洗練されておらず、いまいち使い勝手の悪いところも目立つ。期待リターン額が思ったより低く、貸し出し期間にも制限がついているなど、まだこれからのサービスといった印象を受けたユーザーも多いのではないだろうか。

カウンティアバンクは、その不便さを解消するために「仮想通貨をかしこく増やす」をスローガンとしてレンディングサービス特化サービスのCoinOnを始めた。一日単位で貸出期間を設定することが可能であり、日利は日々変動し年間で5~10%と高利率の期待できるサービスとして今年の1月に始まった。

新興分野のサービスであり運営がうまく行かないケースも多く、他のプロバイダーもサービスの中身を向上させようと努力をしたところで、返済が滞りローンの清算が上手くいかない現状もあるという。CoinOnが今回サービスを終了する理由は明言されていないが、サービス開始からわずか8ヶ月後の発表はやはりレンディングサービスの難しさが感じられる。

一方で、大手取引所のバイナンスがレンディングサービスを拡大させたり、ライトコイン財団も新たに計画をしているなど、課題点は多いとしても将来に期待のできる分野であることは間違いないようだ。

参考:CoinOn