2018年9月に起こった仮想通貨交換所のZaifからの70億円分の仮想通貨の流出先は、20カ国以上にもまたぐ数十万もの口座におよぶ事が判明したとテックビューロが発表した。

2018年9月14日に、不正アクセスによって3種類の仮想通貨から合計67億円ほどが流出した事が判明したが、そこに調査中であったビットコインキャッシュやモナコインからの流出額を含めれば、70億円ほどになる事が分かった。

それを受けてテックビューロは、交換業をフィスコ仮想通貨取引所に譲渡している上で、廃止する事を今年8月22日に発表している。

仮想通貨と言うのは多くの場合パブリックなブロックチェーンを用いているためやり取りの透明性が高い。

しかし、送金データを敢えて混在させる事で送金先が分かりづらくするようにするミキシングや、ダークウェブにも使われまた米海軍研究試験所で使われた事もある、複数の世界各国のアドレスをまたぐTorという技術で、その足跡が付きづらいようになっている。

約一年前に起こった仮想通貨の流出先が、今月になってある程度目処が立った言う事なら、その困難さが大いに伝わる。

だが、今回のような仮想通貨流出のケースでは、他には流れ出た先が全く判明できていないわけではない。

モナコインを不正に手に入れた事件では、Torを使っていたがそのソフトの癖を理解する事で判明しており、またテックビューロの2018年9月14日の事件に至っても、ホワイトハッカー達が罠を仕掛ける事で、2018年11月にアドレスの特定に成功している。

とはいうものの、そのホワイトハッカーの例でも判明したのはあくまでモナコインだけで、この時点でイコール犯人逮捕に直結しているわけではない。そのホワイトハッカーによる特定から約10カ月後の、20カ国以上にもまたぐ数十万もの口座へ流出判明なので、地道な捜査がいかに求められているかが分かる。