世界の市場に関する調査や経営コンサルティングサービスを提供する「Global Market Insights」社は6日、「ブロックチェーンテクノロジーのヘルスケア市場は2025年までに16億ドル(約1,723億円)を超える」という題目のレポートを報告した。

高度なセキュリティで保護され、透過的で、迅速で、正確なデータ管理のモデルとして進化してきたブロックチェーン技術は、ヘルスケア業界におけるデータ駆動モデルを後押しする可能性が非常に高いと指摘する声もある。

開業医や薬剤師、技術者等は、患者の病歴に関する正確かつ詳細な情報を見てすぐに判断できるどうかを重要視する。医療分野では、正しい分析と治療、コスト管理、データの相互運用性を通じて患者に利益をもたらす技術が必要とされている。この目的のため、ヘルスケア部門にブロックチェーン技術が追加されることは必然的であるとも言えるだろう。

レポートでは「データ管理におけるデータの標準化および運用スケーラビリティの制約に関するブロックチェーンテクノロジーと政府のイニシアチブの実装に関する意識を高めていくことは、近い将来における業界の成長を促進することでしょう。」と述べられ、医療分野の行政動向についても言及された。

また、ヘルスケア市場でブロックチェーン技術の採用を増加していくことは、いくつかの要因に起因する可能性があるとも発表した。例としては、エラーのない患者の健康診断、データの取り扱いと保管における細心の注意、コスト削減といった要因などが挙げられた。

英国とスイスでは、すでにブロックチェーンの採用が大幅に増加しており、昨年、英国は当該分野に約300万ドル(約3.2億円)を投資している。スイスの医療分野でのブロックチェーンの使用においても、今後5年から7年で73%を超える可能性があるともされている。

今年の7月には、東アフリカのウガンダ政府がブロックチェーン企業である「MediConnect」と協力し、処方箋医薬品の追跡や管理の実現を目指したプロジェクトを発表し、同地域でまん延する偽造医薬品問題の解決に向けた取り組みに力を入れた。

インドのマハラシュトラ州では最近、医療やサプライチェーン、ドキュメントなど、さまざまな分野でブロックチェーンの可能性を活用するため100万ドル以上(約1.7億円)の投資を発表した。

国は違えど、医療分野においてブロックチェーン技術を採用するケースは近年増えてきている。医療のビッグデータの使い道については近年も注目されているが、ブロックチェーン技術は新たな活用方法を見出せるのか。今後も同分野の動向に注目していきたい。

参考:Global Market Insights