19世紀にドイツで誕生した老舗の自動車部品メーカーのコンチネンタルが、駐車場を使うことで仮想通貨を獲得できる画期的なシステムを開発した。

車と仮想通貨が結びついたシステムは、多くの会社が行っている。例えばBMWはアイオータとパートナーシップを結び、高速道路料金の自動支払いで仮想通貨ウォレットを使ったり、マイレージ情報に交通渋滞や道路上の穴と言った情報提供をすれば、トークンの報酬で受け取ることが出来る。

また、フォルクスワーゲンもアイオータと組むことで同じ様に車の安全情報を報酬に変える事が可能だ。

他にも中国にあるメルセデス・ベンツの関連会社は、中古車データの把握をブロックチェーンで補うといった試みもしている。

コンチネンタルの場合はヒューレット・パッカードや新進気鋭の企業であるCrossbar.ioと連携を取ることで「Earn As You Ride(ドライブをしながら報酬を頂こう)」アプリを作っている。

これは駐車場のリアルタイムな空き情報をデータ送信することで、報酬が受け取れるシステムとなっている。

ユビキタス社会になり運転に関するあらゆる情報が、インターネットを通して集まるようになった。しかしその貢献があるにも関わらずドライバーに対して報酬というものは無かったため、今回のシステムは待望である。

データ送信は安全にも繋がるという指摘もあり、運転する側にとっては「Earn As You Ride」を使えば社会貢献にもなると言えるだろう。先ほどのBMWやフォルクスワーゲンなどの例を考えてみても、今後ドライブに関する安全情報の精度がますます高まる感じだ。

なお今回の取り組みは、2018年に施行された「General Data Protection Regulation(EU一般データ保護規則)」によって、EU加盟国なら企業はデータを集めるのが同意を取ることが義務付けられた背景も指摘されている。

報酬を受け取ることが可能になるとユーザーはその分受け身ではなく、自主的に安全情報などを提供しようと言う意識が芽生えていくだろう。