フェイスブックが発行を計画している独自仮想通貨「Libra(リブラ)」に対し、日本の金融政策の専門家からも言及がなされた。

日本銀行で決済機構局長を務めた山岡浩己氏がリブラが広く普及する事で金融政策の有効性を著しく低下すると分析し、さらに新興国にてドル化ではなく、リブラ化が起こる可能性があると推測している。

“ドル化”とは自国の通貨が弱くなることで代用としてドルが使われる現象のこと。アフリカ・ジンバブエにてハイパーインフレが起きたことにより、米ドルが使われるケースがあったことについては記憶に新しい。

最近では通貨危機に対しビットコインが避難先として購入されることが増えてきているが、リブラはそのような代替手段として用いられる要素を秘めていると考えられる。

しかし、リブラにおける自国通貨の弱体化について懸念を表明している国にとって今後フェイスブックの規制が発動されるとの見方もあることからリブラがすべての国に使われる事は難しいと見られる。

このことから国として弱さを感じる新興国についてはリブラを使い、流通を発達させていく事も考えらえる。

山岡氏によれば、ブルームバーグのインタビューにおいてリブラの利便性は圧倒的であり、金融弱者を救おうとする動きを止めることは難しく、さらに止めるべきでもないと発言している。

山岡氏はリブラの実用化について2020年前半は難しいと判断しつつも、今後2年ほどで実現する可能性は高いと予想している。

現在、リブラに対して風当たりが強い状況となっているが、新興国や前向きにリブラを検討している国々から拡大を見せると考えられる。今後の展開に期待したい。

参考:Reuters