再び訪れた仮想通貨市場の上昇、特にビットコインの急騰に関しては各方面から様々なコメントが寄せられている。大幅な値動きは価格操縦によるものではないかという噂も絶えないが、大手仮想通貨取引所BinanceのCEOであるChangpeng Zhao氏は、現在の相場は機関投資家ではなく一般投資家が牽引しているものとの見方を示している。
Zhao氏はBinanceの取引高における一般投資家の割合は以前と比べても約60%と同程度であり、機関投資家の参入が増えたという意見には懐疑的な立場であることを明かしている。
機関投資家によるものか自然の成り行きか、確固たる答えの出る段階ではないかもしれないが、Binanceの取引データという大きな情報を持つZhao氏の発言に含まれる説得力は非常に大きい。
個人投資家主導による価格上昇であれば一部の機関投資家による大きな価格変動が起きる可能性は低いとも受け取れるが、意志をもった価格上昇でない反面、ネガティブな材料が駆け巡ることにより、再度下落の憂き目に合う可能性もあるため、めだつニュースをきっかけに市場がどれほど反応を示すかが注目となる。
また、Zhao氏の発言と同じスタンスをとっているのが、同じく大手仮想通貨取引所BitMEXのCEO、Arthur Hayes氏だ。Hayes氏によればシカゴ・マーカンタイル取引所でのビットコインデリバティブにおける建玉をBitMEXと比較しても大幅に上回っていないことなどから機関投資家の本格参入の否定を指摘した。
いずれの人物もビットコインに対してポジティブな立場からではあるが、実際のデータを基にしたコメントであるため一般投資家としては継続的に投資に進むことができる心強いバックボーンとなるのではないだろうか。
ビットコイン相場は一時130万円を超え、2017年末に見せた最高値にどこまで迫るかといった勢いもみせ、アナリストによればそこまで行くことも期待されていたが、落ち着きを取り戻し最近は110万円前後で推移している。
FacebookによるLibraも話題にのぼる事が多く、仮想通貨関連に関心が戻ってきたこともビットコインの価格を押し上げる要因となっていることから、関連ニュースの盛り上がりで今後人々の思う以上の価格を示してくるかもしれない。
参考:Bloomberg