THE TIMES OF INDIAの報じたところによると、インド犯罪捜査局CIDが、仮想通貨KBCの開発者とされる4名の容疑者を逮捕した。100倍の収益が見込めるという触れ込みで販売を図る出資金詐欺とみなし逮捕されたものとしている。記事によれば約6ヶ月前に販売されたにも関わらず値動きはほぼ見られていないという。

把握されている被害額は1.26万ルピーに及ぶが、実際の被害は遥かに多いと見られている。インドの都市スラトにおける暗号通貨による詐欺事件は過去2年で5件あり、今回で6件目に登るという。

今回のKBCは1口10パイサ(=0.1ルピー)という小口での購入が可能な点から投資をしやすい環境を作り上げたことで被害が広がった可能性が指摘されている。

また、チェーンに最初に投資したものが最後の投資者から利益を得られるというねずみ講方式の提案も多くの被害者を引き込む大きな役割を果たしたとCID関係者は伝えている。

これまでのインドは暗号通貨に対し厳しい姿勢を示しており、最高裁判所の判決など話題も多く出ているが、電子マネーの浸透率は高く暗号通貨も規制緩和への流れも出てきており、投資家達は市場の動向に期待感を示していたものの、今回の事件からまた反発の声が高まり、取引が冷え込むことなど心配の声も囁かれている。日本でも大阪の学校法人の前理事長が運営資金を私的な暗号通貨運用に流用したとして糾弾される話題も出ている。

投資における甘いアナウンスは一歩以上退いて冷静な目線を持ち気をつけるに越したことはない。大きな値上がりを狙う上で新興通貨を狙いたくなるのは仕方ないことかもしれないが、だからこそどんなときでも注意を払うべきだろう。

参考:THE TIMES OF INDIA