大手仮想通貨取引所であるBinanceが、シンガポールにて新たな仮想通貨取引所「Binance Singapore」を立ち上げた。

同取引所の特徴としてシンガポールドル(SGD)とビットコイン(BTC)の通貨ペアのみが提供されるという。

Binance Singaporeは仮想通貨をシンガポールドルと交換することができ、現地の決済プロバイダーであるXfersとの提携を通じビットコインのみ交換可能としている。

BinanceはこれまでBinance Uganda、Binance Jerseyを立ち上げており、Binance Ugandaはバイナンスコイン(BNB)とパクソススタンダードトークン(PAX)などもサポートしているが、これらに比べBinance Singaporeは取り扱う通貨は少ないと言える。

シンガポールは仮想通貨取引に対して前向きな姿勢を取っているが、規制やルールについてはしっかりしていることもあり、Binanceの広報担当者からは規制が許す限り多くの通貨ペアが追加される可能性があると語っている。

シンガポールはアジアの金融ハブとしても知られており、今回設立できたことは成功とも言えるだろう。

日本においては金融庁の厳しい姿勢もあって、設立に足踏み状態を続けているバイナンスだが、シンガポールで実勢を積み上げていけば、日本の規制当局にはアピールできる形ともなる。

Binance側としても日本に今後進出したいために規制当局との対応にネガティブ要素を入れないために時間をかけて説得する姿勢をとっているため、シンガポールでの実績を伝えたいとの気持ちもあるだろう。

シンガポールでの設立に対し、匿名通貨の対応をどうするのかの話し合いが必要だが、シンガポールでの設立はBinance側としても世界への拡大にはなくてはならないイベントであるため段階をとる形となっている。

Binanceは年内にはマルタ共和国で法定通貨に対応した仮想通貨取引所を立ち上げる計画をしており、その後アルゼンチン、トルコ、リヒテンシュタイン、ロシア、韓国を検討していると言う。

 Binanceの世界展開を通じ、仮想通貨業界をさらに活気づけさせていくことだろう。

参考:TechCrunch