米大手金融機関Fidelity(フィデリティ)のデジタル通貨部門であるFidelity Digital Assetsは8日、一部の顧客グループに対し以前から発表を行なっていた投資家向けの仮想通貨カストディサービスである「Fidelity Digital Asset Services(FDAS)」の提供をスタートさせたことを公式ツイッターにて明らかにした。

「弊社は、選ばれたクライアントのグループに対して配信を開始しており、慎重に展開を続けていく見通しです。弊社のソリューションは、ヘッジファンド、ファミリーオフィス、年金、寄付金、その他の機関投資家のニーズに焦点を当てています。」

Fidelityは1月末に、このプラットフォームが新しいデジタル資産サービスの最終テスト段階に入っていることを発表していた。昨年10月の最初の発表以来、同社は機関取引および保管基準、ならびに規制要件を満たすプラットフォームの開発に力を入れてきた。

Fidelity Digital Assetsの代表であるTom Jessop氏によると、現在サービスは稼働中ではあるものの、プラットフォームのさまざまな部分に取り組んでいる最中であるという。

一部のユーザーは1月からプラットフォームに参加しているが、実際には各クライアントの状況によるところが大きいため、9月まで待つクライアントなどもいることを明かした。

Fidelityは、ブロックチェーンや人工知能などの新技術に年間25億ドルを投資している巨大金融企業だ。

資産運用金額が7兆ドル以上、取引関係のある金融機関が1万3,000以上あると言われている同機関が仮想通貨カストディサービスに参入すれば、多くの機関投資家を呼び込むことに繋がる可能性が高い。