身分証明にて一般的に多く使われているのが運転免許証。その運転免許証をブロックチェーンによりデジタル化しようとする流れがオーストラリアのニューサウスウェールズ州にて行われようとしている。
同州はブロックチェーンスタートアップ企業であるSingleSource社と提携し、ブロックチェーンを活用したデジタル運転免許証の発行に向けた取り組みを進めており、このデジタル免許証は今年中に本格導入することが目標として掲げられている。
すでにこのプロジェクトは昨年初めにダボ市において1,400人の免許保有者を対象にパイロットテストを行っており、昨年11月には規模をシドニーの東海岸の地域14万人に拡大した。
2019年末には州全体で正式導入となる予定になっており、運転免許証をデジタル化する事で今までの紙ベースでの免許証を持ち歩かずにモバイルアプリを通じて本人確認が証明される事にもなる。
運転免許証がデジタル化されることのメリットとして詐欺や偽造の不正防止に貢献できると見られている。
特にブロックチェーン技術を取り入れることで改ざんを不可能にし、万が一偽造したとしても追跡、及び発行元をしっかり確認できることからセキュリティが大幅に改善する事ができる。
今後は住民IDや公的書類等の発行に関する時間短縮や費用削減にも応用できる可能性も示唆される事から、紙ベースでの公的書類は徐々に少なっていく事だろう。
懸念する点としては、スマートフォンを持たなかったりバッテリー切れを起こしている市民に対して瞬時に確認するにはどうするかといった点がある。そのためにもスマートフォンでない、省電力、もしくは電気を有さない新たなデバイスが必要になってくるだろう。